脱原発をめざす首長会議

ドイツの環境とエネルギー政策視察 (5月20日-26日)


2013年05月20日

本日、脱原発をめざす首長会議から3名がドイツ視察のため出発しました。
ドイツでは、「地震発生時における危険性がある」という地学専門家の指摘がきっかけとなって廃炉にいたった(2020年までに解体終了の予定)ミュルハイム・ケールリッヒ原発の見学や、自治体が運営するエネルギー会社Ahrtal-Werkeの見学、元弾薬庫だった施設(95年まで米軍施設)でエコプロジェクトを行っているMorbach市の市長との面会、NorthRhine-Westphalia(ノルトライン・ヴェストファーレン州 )の気候変動・環境・農業大臣との面会などを行います。

【ドイツ視察参加者】

上原公子 元・国立市長 (事務局長)

田島公子 元・越生町長

中島栄 美浦村長

※日程内容についてはコチラ

 

5月20日(1日目) ドイツ到着

同日、フランクフルト空港に到着後、ダルムシュタット市へ移動。ヨーヒェン・パルチュ市長に街を案内していただきました。また、現地にてドイツ連邦議会のベーベル・ヘーン議員、ダニエラ・ヴァーグナー議員、HSE電力会社(南ヘッセンエネルギー電力会社)のクリスチャン・カッセボーム理事に同行いただき、一緒に案内していただきました。市街視察後の夕食会では在フランクフルト日本国総領事が参加されました。


ヨーヒェン・パルチュ市長案内の市街地視察。

 


darmstadtiumという大学の土地で、市が運営している国際会議所を訪問。再生可能エネルギーを利用し、色々な工夫がされている建物です。

 


HSE本社を訪問。HSEは福島での原発事故以前から脱原発を決めた電力会社です。ダルムシュタット市がこの会社の9割以上の株を保有しています。

 


HSEにてドイツにおける電気とガスの事情、再生可能エネルギーの施設や実例、現在取り組んでいるスマートグリッドや分散型発電、住民参加型のプロセス、これからのビジョンなどについての説明を聞きました。

 

5月21日(2日目)


「地震発生時における危険性がある」という地学専門家の指摘がきっかけとなって廃炉にいたった(2020年までに解体終了の予定)ミュルハイム・ケールリッヒ原子力発電所を見学。大手電力会社であるRWEによる廃炉のプロセスの説明を受け、実際に廃炉作業をしている現場も見学しました。

 


バードノエナール・アールヴァイラー市役所では、ギード・オルテン市長、自治体が運営する電力会社Ahrtal-werkeの社長、そして超党派の市議会議員4名との意見交換を行いました。

 


ドイツ連邦議会のベーベル・ヘーン議員(中央)が今回のコーディネイトを行い、自ら数日間同行してくださっています。

 


Ahrtal-werke社のコジェネレーションプラント(ガス・熱)を見学しました。

 

5月22日(3日目)


エイフェル国立公園のあるニデッゲン市のマルギト・ゲケマイアー市長(一番右)とジメラト市のカール・ハインズ=ハーマンズ市長(右から4人目)の歓迎を受けました。

 


アーヘン市の市議会議員・建築局長のギゼラ・ナケン氏による「アーヘンモデル」としてしられている住宅、交通、街作り、エネルギーを含めたプランについての説明を受けました。

 


ノルトライン・ヴェストファーレン州気候保全・環境・農業・自然保護・消費者保護省において、ヨハネス・レメル大臣の歓迎を受けました。左からラウパッハ・スミヤ ヨーク立命館大学教授(当会アドバイザー)、ヨハネス・レメル大臣、上原公子元国立市長(事務局長)、ドイツ連邦議会ベーベル・ヘーン議員、田島公子元越生町長、中島栄美浦村長。

 


同省において、ヨハネス・レメル大臣、大臣政務官、国際関係・ネットワーク課長、気候・未来のエネルギー・環境経済部長などとの意見交換を行いました。

 


ライン川にて。一番左はハインリッヒ・ベル財団のモニカ・バウム氏。

 

5月23日(4日目)


ベーベル・ヘーン議員の自宅へ招待されました。左から4番目はオーバーハウゼン地方の緑の党代表アンド レアス・ブランケ氏で、この日から同行してくれます。

 


ハム市にあるエコセンターNRWにて、持続可能な建築・都市、エコ建築のスペシャリストである代表取締役のマンフレッ ド・ラウシェン氏とシニアコンサルタントの永井宏治による説明を受けました。エコセンターNRWについてはコチラ(日本語)

 


ザールベック気候コミュニティーを見学。ここは7000人の村で、再生可能エネルギーや持続可能な街作りを実践、世界的に注目を集めている村です。村の中心にはペレットを使用した暖房設備があり、多くの人に見てもらえるような工夫がされています。

 


ザールベックのバイオエネルギーパークを見学しています。ここは95年まで米軍施設(90ha)の弾薬庫だった場所に6メガワットの太陽光パネルを張っています。また、この他にバイオガス発電所が2箇所あり、3メガワットの風力発電機が7機建設中です。

 


ザールベックのヴィルフリード・ルース村長(左から2番目)の歓迎を受けました。テレビ局の取材を受けています。


バイオパークを視察。左からザールベック村のヴィルフリード・ルース村長、ラウパッハ・スミヤ ヨーク立命館大学教授(当会アドバイザー)、中島栄美浦村長、プロジェクト代表のギード・ウォールレイベン氏、田島公子・元越生町長、アンドレアス・ブランケ氏、地方の学校の先生であるヘルマン・シュ テューベ氏、上原公子元国立市長(事務局長)。

 


ドルトムンド市において私立の学校と企業が取り組む太陽光プロジェクトを見学。

 


企業が貸し出している太陽光パネルが張られています。

 

5月24日(5日目)


ラインラント・プファルツ州経済・エネルギー省のエベリン・レムケ大臣の歓迎を受けました。

 


エベリン・レムケ大臣との意見交換を行いました。

 


再生可能エネルギー分野において世界最先端の会社、juwiの本社を訪問しました。駐車場では、屋根にはソーラーパネルを張り、そこから発電される電力で電気自動車をその場でチャージすることができます。

 


juwi本社は環境に配慮した建物となっています。

 


再生可能エネルギー分野において、世界最先端の会社juwiの本社で設立者フレッド・ユング氏の話を聞きました。

 


juwiの風力パークを見学しました。

 

5月25日(6日目)


中島栄村長が現地ラジオ局の取材を受けました。

 


モーバッハ市のアンドレアス・ハケタール市長(一番左)の歓迎を受けました。

 


バイオマスのペレット生産プロセスを見学。

 

前日は雪が降っていたようですが、見学当日は晴天に恵まれました。


モーバッハにある再生可能エネルギーパークを見学しています。ここは元米軍基地だった場所で、145ヘクタールの土地で30メガワットを発電、3万世帯に電気供給する能力を持っています。また、元掩蔽壕だったところを気候変動、再生可能エネルギー、そして冷戦についての教育センターにしています。

 


マインツ市副市長の歓迎を受けました。

 


マインツ市副市長、自治体のエネルギー会社、そして市民の協同組合と意見交換を行いました。これにて今回のドイツ視察は終了しました。